ミームとは?

■ミーム、そしてインターネットミームとは?■

 「ミーム」とは、イギリスの進化生物学者であり動物行動学者のリチャード・ドーキンス博士が1976年に発表した著書「利己的な遺伝子」の中で提唱した概念で、生物が自己の遺伝子を最大限に増やすように振る舞うのと同様に、情報やアイデア、行動パターンなども自己の複製と伝播を最大化するように振る舞うと考えたもの。つまり、自己的に増殖する情報遺伝子の事をミームと言います。

リチャード・ドーキンス博士

 ミームの代表的な例としては、流行の言葉、音楽のリフ、流行のファッション、動画、画像、ダンスのムーブメントなどが挙げられます。これらのものは人々の間で模倣され変化しながら伝播していきます。生命の遺伝子が増殖するとき、その情報リレーの中でほんの少しずつ変化が起こるように、この情報遺伝子も拡散されていく過程で少しずつ伝達に齟齬を起こし変化していくのも特徴です。

 ミームの特徴は強力な自己増殖性、模倣可能性、変異性、そして淘汰されていくことです。
 つまり人々が積極的にそれらを再現し、伝播させ、変形させていくことで、ミームは次々と生み出され、また、淘汰もされていきます。


■インターネットミームとは■

 インターネットの登場によって、ミームの伝播はさらに加速しました。
 SNSやWebサイト、動画共有サイトなどを通じて情報がグローバルに共有・拡散されるようになりました。インターネットミームとは、インターネット上で急速に広まり変化していくミームのことを指します。

 例えば、「LOL」や「ワロタ」といった略語、面白画像とコメントのセット、スポーツ選手の決めポーズ、有名人のフレーズなど、インターネットユーザーの間で瞬く間に広まり様々な形で変容していくコンテンツがインターネットミームです。略して「ネットミーム」とも言われます。そしてそれは時にその時代の強力なムーヴメントにも成り得る事もあります。故に、このミームから成るムーヴメントを研究することで意図的なマーケティングにも活用する事が出来るようにもなるでしょう。

 こういった「ミーム」は人々の共感を呼び、ユーモアや批判の手段として利用されたり新しいコミュニケーション手段としても機能しています。

 ミームとは情報の単位であり、それが人々の間で凝縮され、変化を遂げながら伝播していく現象のことを指します。インターネットの登場によりミームの増殖と進化のスピードはさらに加速し、私たちの日常的なコミュニケーションに深く影響を及ぼすようになっています。

ネットミームと情報遺伝子
:追記:
 ちなみに、上述のリチャード・ドーキンス博士は女優のエマ・ワトソンに似ている!という事で自らミームにもなっています。

リチャード・ドーキンスとエマ・ワトソン