すれ違いざまに振り向く彼氏の世界的ミーム「浮気性の彼氏」 : インターネットミーム研究所

　「振り返る男」の画像ミーム

　水色のノースリーブのシャツを着た彼女を連れた青いネルシャツを着た男性が赤い服を着た魅力的な女性に対してすれ違いざまに振り返っていて、彼女が彼に対して怪訝な表情を浮かべている画像。今回はこの「Distracted Boyfriend（浮気性の彼氏/気が散る彼氏）」または「Disloyal Boyfriend（不実な彼氏）」として知られる有名な画像ミームについて詳しく解説します。

驚きの起源
　2015年にスペインの写真家アントニオ・ギリェム（Antonio Guillem）が撮影したこの写真は元々ストックフォト用の1カットでした。iStockなどで「不実」「不倫」「浮気」といったキーワードで販売される予定の何気ない商用写真の1枚でしかありませんでした。

ミーム化のきっかけ
　2017年にTwitterユーザーが「若者たち/新しいもの」「彼氏」「彼女」という3つの要素をそれぞれの人物に当てはめてツイートしたことでミーム化が始まりました。この画像は人間の行動における皮肉や矛盾を完璧に表現できる素材として注目を集めました。

画像の特徴
　この写真が秀逸な理由は以下の3点です。
・男性の極端な振り返り方
・彼女の明確な不快感
・赤いワンピースの女性の無関心な様子

　これらの要素が絶妙なバランスで収まっています。

様々な使用例
　このミームは多岐にわたる場面で使用されました。
・プログラマーが新しいプログラミング言語に心奪われる様子
・企業が新技術に飛びつく状況
・学生が本業をほったらかして趣味に没頭する様子
・ゲーマーが新作ゲームに心を奪われる場面
・スポーツファンが他チームに心変わりする状況

社会現象としての広がり
　このミームは単なるインターネット上の面白ネタを超えて社会現象となりました。
・広告での使用
・政治的な文脈での活用
・教育現場での例示
・企業のマーケティング活用

写真家の反応

　撮影者のギリェム氏はこの予期せぬ展開に驚きながらも好意的な反応を示しました。

　実はこの撮影は同じモデルたちと作成した一連のストック写真の一部だったことも明かされています。

批評家の分析
　メディア研究者たちはこのミームについて以下のような分析をしています。
・現代社会における誘惑と選択の metaphorとして機能
・デジタル時代の人間関係を象徴
・視覚的なストーリーテリングの完成形

文化的影響
　このミームは現代のインターネット文化に大きな影響を与えました。
・類似構図の parody写真が多数作成
・商業広告での模倣
・SNSマーケティングでの活用事例増加

現代における意義

　2024年現在もこのミームは現役で使用され続けています。

　その理由として以下が挙げられます。

・普遍的な人間心理を表現
・どんな状況にも応用可能
・視覚的なインパクトの強さ
・理解のしやすさ

批判的視点
　一方でこのミームには以下のような批判も存在します。
・ジェンダーステレオタイプの強化
・不誠実な行動の軽視
・過度な単純化

まとめ
　「浮気性の彼氏」ミームは現代のインターネット文化を代表する作品として今後も語り継がれることでしょう。一枚の商用写真がここまで広く深い影響を与えた例は稀少です。このミームは人々の心に残り続け更に新しい解釈や使用法を生み出し続けることが予想されます。

※ちなみに、ＡＩにこの画像を想像に任せて動かせてみた動画が以下。

AI is getting out of hand　予備:１　